よりSUVらしく「キャラ変」したスズキ新型「クロスビー」! カワイイ系からクールで力強いスタイルに センターコンソールが追加された理由は? メカニズムは正常進化
「キャラ変」前提で施された変更点とは? 燃費と走りの質も向上
デビュー以来はじめての大規模改良を受けて新型となったスズキ「クロスビー」。2025年10月2日より販売が開始されます。
新型をチェックして筆者(工藤貴宏)が感じたこと、それは「よりカッコよく、よりSUVらしく」という方向へ「キャラ変」をはかったということです。

大幅改良が実施されたスズキ「新型クロスビー」
たとえばスタイリング。フロント部は今回の改良でグリルやバンパーに留まらず、ヘッドライトやボンネットフード、さらにはフェンダーまで変更してイメージチェンジしました。
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従来モデルは丸型ヘッドライトを特徴とするカワイイ系のデザインでしたが、新型は半円状のヘッドライトとしたクールな雰囲気へ。力強さが増しています。
注目すべきはボンネットフードのラインで、真横から見たときにフロント側がどんどん低くなった従来モデルに対して、新型は前端の位置が上がり水平に近づきました。
つまり、より厚みのあるボンネットとなり、それは力強いSUVを感じさせる雰囲気へシフトしたということです。
もちろん、これは「偶然」や「結果的にそうなった」のではなく、商品企画として全体のキャラクターを構築したうえでデザインもそれに沿うよう狙ってやっていること。スタイリングに留まらず新型の従来型に対する変更点は、すべて「キャラ変」を前提に考えられているのです。

スズキ「新型クロスビー」の内装
「よりカッコよく、よりSUVらしく」という視点で見れば、インテリアの変更に込められた意味も理解できます。まずはダッシュボード、従来は丸型だった左右端のエアコン吹き出し口は四角くなってクールな雰囲気へ。メーターパネルも同様に丸形から四角となりました。
そして注目はセンターコンソール。なにを隠そう従来モデルはセンターコンソールが存在せず、今回新たに追加されたのです。
従来なかった理由は、狙っていたのが「ハイトワゴンとSUVのクロスオーバー」だったから。デザインはSUVを意識していたいっぽう、使い勝手に関してはハイトワゴンに準じていました。
ミニバンのように前後左右にウォークスルー(車内を歩いて移動)を実現するため、あえてセンターコンソールを用意していなかったのです。
しかし新型はSUVらしい雰囲気を高めるために、ウォークスルー性という実用性を犠牲にしつつも左右席のセパレート感や包まれ感を重視。センターコンソールはその演出のためというわけです。
ちなみに新型は、従来なかった「電動パーキングブレーキ」も用意していますが、その操作スイッチはこのセンターコンソールに組み込まれています。
またセンターコンソールは上下二重構造のいわゆる「ブリッジタイプ」で収納力抜群。スマートフォンを置くなど収納スペースとして重宝することでしょう。

スズキ「新型クロスビー」のエンジン
メカニズムに関しては「SUVらしさ」とか「キャラ変」は関係なく正常進化。ひとことでいえば「現行型スイフトのテクノロジーが全方位で搭載された」です。
たとえばパワートレイン。従来型は排気量1.0リッターのターボ+6速ATが特徴でしたが、新型は排気量1.2リッターの自然吸気(Z12E型)にモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドとし、トランスミッションはCVTに換装しました。つまり新型「スイフト」と同じスズキの最新パワートレインに入れ替えたのです。
おかげで前輪駆動モデルのWLTCモード燃費は従来の18.2km/Lから22.8km/Lに大幅アップ。
運転好きの筆者としては、従来型が持っていたこのクラス(Aセグメント国産車)では唯一ともいえる、有段ATによるアクセル操作に対するダイレクトな加速感が得られなくなってしまったのは残念なところですが、一般論でいえば燃費アップのほうが喜ばれるでしょう。
また車体補強やそれにあわせたサスペンションセッティングなどもスズキの最新の知見を踏まえて進化し、走りの質も向上。ハンドリングはもちろん、静粛性や乗り心地も高まっているというから試乗が楽しみです。

スズキ「新型クロスビー」
加えて、電子系の装備をつかさどる「電子プラットフォーム」もスズキの最新世代へ冊子されて大幅進化。その恩恵として上位タイプに電動パーキングブレーキが新搭載されたのをはじめ、衝突被害軽減ブレーキなど先進安全機能が最新世代となり安全性能も高まりました。
高速道路を使ってロングドライブを楽しむ人にとっては、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が車速設定だけのワンアクションで起動するようになり、停止保持機能まで追加されたのは新型の嬉しいメリットでしょう。
※ ※ ※
ところでクロスビーはどうして「よりSUVらしく」という方向へ舵を切ったのでしょうか。
答えはズバリ、「SUVの一般化」です。クロスビーがデビューした8年前、SUVはまだ「ちょっと個性的な乗用車」という存在でした。しかしその後、気が付けばSUVは乗用車の主流といえるまでに一般化。
そんな世の中の変化を受けて「もっとSUVらしく“キャラ変”したほうがより多くの人に受け入れてもらえる」というのがスズキの判断というわけです。
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