761万円! マツダ「“新”ロードスター」発表! 超パワフルな2リッター「匠“手組み”エンジン」採用! 最高峰の「MSRロードスター/12R」 こだわり強い開発陣の“想い”とは

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MSR“特製”の「スペシャルロードスター」登場 主査が語る“想い”とは

 マツダは2025年10月4日、2ドアオープンスポーツカー「ロードスター」のスペシャルモデル「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」と「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」を発表しました。2026年1月上旬に発売予定です。

 これまでにないスペシャルモデルということで、すでに大いに注目を集めていますが、誕生までにはどのような想いがあったのでしょうか。ロードスター開発主査の齋藤 茂樹氏にインタビューし、聞いてみました。

マツダ「ロードスター」のスペシャルモデル「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」

 ロードスターは1989年に誕生した2ドアオープンスポーツカーです。当初は当時のマツダの販売チャネルの名を冠して「ユーノスロードスター」としてデビューしました。

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「人馬一体」をキーワードに、ハンドリングに優れるFRレイアウトの軽量ボディと、小気味良いフィーリングのエンジンを搭載。さらにソフトトップのオープンとしたことで、クルマを操る楽しさを最大限まで追求。

 以後、根強いファンを獲得し、マツダを代表するモデルというだけでなく、2人乗りオープンカーの定番として支持されています。

 現行モデルは2015年に登場した4代目(ND型)です。

 歴代の特徴を踏襲しながら、最新のマツダデザイン「魂動(こどう)デザイン」を採用し、スタイリッシュさに磨きをかけたほか、マツダ独自の直噴エンジン「SKYACTIV-G」の採用やアルミや高張力鋼板の採用などで、軽量化および燃費性能を高めています。

 パワーユニットは1.5リッター自然吸気エンジンに6速MTもしくは6速ATの組み合わせで、2016年11月には2リッターエンジンと電動格納ハードトップを搭載する「ロードスターRF」も追加されています。

 現在販売中のモデルは、2024年1月に実施されたビッグマイナーチェンジモデルで、デザイン変更や走行性能の強化、マルチメディアシステムを刷新。先進機能も「マツダレーダークルーズコントロール(MRCC)」と「スマートブレーキサポート(後退時検知機能SBS-RC)」が新たに採用されました。

 そんなロードスターですが、2024年1月に開催のカスタムカーショー「東京オートサロン2024」で、マツダのモータースポーツサブブランドである「マツダスピリットレーシング(以下MSR)」が手掛けたコンセプトカー「MAZDA SPIRIT RACING RSコンセプト」が披露されました。

 このときに、詳細スペックは公開されなかったものの、会場スタッフの説明で、通常は設定のない2リッターエンジンが搭載されていると非常に大きな話題になったのです。

 実は現行型ロードスターの登場当初から、オーナーの間でロードスターRFに搭載されるようなパワフルな2リッターエンジンを搭載してほしいという要望が長らく寄せられており、そうしたなかでの実車の公開ということで大いに注目を浴びました。

 そして翌年2025年1月の「東京オートサロン2025」では、ロードスターに2種類のスペシャルモデル「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(以下、MSRロードスター)」と「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R(以下、12R)」を設定すると正式にアナウンス。

 スペシャルモデルはMSRの名前が冠された通り、「スーパー耐久」シリーズなど、サーキット活動で培った技術を投入されたもので、上質で特別な内外装と専用の走行性能が与えられ、通常モデルから手を入れた内容など、詳細スペックが明かされました。

 この東京オートサロンでのアナウンスからおよそ9ヶ月、今回ついに正式発表されました。

マツダ「ロードスター」のスペシャルモデル「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER/12R」と主査の齋藤 茂樹氏(左)、MSR代表の前田 育男氏(右)

 ここまでに至った開発サイドの想いについて、ロードスター開発主査の齋藤 茂樹氏はこのように話してくれました。

「今回はスペシャルな開発にチャレンジしました。こういう(速さと質感にこだわったスペシャルな)クルマなので、こういうことに長けたエンジニアを集めて、一気にすごいモデルを作ってやろうと。

 通常(モデルの開発)だといろんな部門が入ってきて、マネージャー部長の承認を取って…と、ものすごい面倒くさいんですね。

 今回はそうではなくて、前田さん(MSR代表の前田 育男氏)と僕とのチームで決めようと」

 現行型ロードスターとしては初のスペシャルモデルということもあり、また走りを追求することから、各部門のエンジニアのスペシャリストを集めたといいますが、やはりメンバーの「こだわり」の強さをコントロールするのが大変だったと語ります。

「サーキット走行に長けたメンバーとか、レース活動をしているメンバーだとか、もちろんスーパー耐久をやっているエンジニアだとか、そういった専門家が集まって作りました。なので非常に難しかったです

 皆さん個性の強い方と、『俺はこうだ!』っていう(主張をする)エンジニアばっかなので、本当に大変でした。言う事きかない連中ばっかなので(笑)

 ただし、だからこそ時間はかかったけど、みんなが納得する、最高にイイものができたと思います。ここだけは、本当にみんなと戦ってきてよかったなと思います」

「最高峰のロードスター」どんな仕様?

 長い歳月をかけ、またエンジニア同士の「こだわり」もぶつけあって誕生したMSRロードスター/12R。どのような仕様なのでしょうか。

初の2リッターで匠の手作業によるチューニングを施した2リッターエンジン

 最大のトピックとしては、現行型ロードスター(ソフトトップ)の国内仕様として設定のなかった2リッターガソリン「SKYACTIV-G 2.0」エンジンを搭載した点です。

 ただし、ロードスターRFのエンジン(PE-VPR[RS]型)をそのまま流用するだけではなく、サーキット走行を楽しめるよう、専用チューニングを実施しています。

 特定の操作でスピードリミッターやブレーキオーバーライドを解除する機能や、レブリミット回転直前まで出力を絞らずに走行できるように制御を変更。さらに、エンジン応答と質感を高い次元でバランスしたスロットル制御や、ヒールアンドトゥ操作時の回転数アシスト機能なども採用。

 細かい制御にも手を入れ、サーキットで扱いやすいような改良が施されています。

 これにより、最高出力は184馬力/7000pm、最大トルクは205Nm/4000rpmまで向上しました。

 12Rでは、高回転域の加速向上を目指し、さらに追加で手を入れています。

 吸気ポートの形状変更や、マツダ社内の「匠」のエンジニアによって手作業で吸気ポート内を研磨し、出力向上とレスポンスのアップを図っています。

 さらに大型エアダクトやエンジン内部のカム形状変更、藤壺技研(FUJITSUBO)と共同開発したエキゾーストマニホールドなどを採用。このエキマニはガラス繊維のバンテージとステンレスメッシュを採用し、見た目にもスポーティさがプラスされています。

 最大出力は200馬力/7200rpm、最大トルクは215Nm/4700rpmまで引き上げ、MSRロードスターよりもさらなる高出力・高レスポンスを実現しています。

 このほか、ラジエーター大容量化、ミッションメインドライブギアの固体被膜潤滑剤塗布、また12Rでは軽量なシングルマスフライホイール、サーモスタットの変更、S耐車両と同一のピストン、ピストンリングを採用し、酷暑のサーキット走行など、ハードなシーンを想定した改良を実施しています。

 足回りは、専用チューニングを施したビルシュタイン製専用サス/ダンパー、ストラットタワーバーの装着、12Rでは熟練工による高精度なサスペンションアームの締め付け(1G)とホイールアライメント調整を実施し、意のままの走りを実現しています。

 車両重量はMSRロードスターが1070kg、12Rが1050kg。多数の専用品を装備しながら、軽量なボディは維持しました。

 エクステリアではドイツの「ニュルブルクリンク」サーキットで走行安定性強化を図ったフロント・サイド・リアスカートやリアスポイラーを装着。機能に根付いた専用パーツで彩ります。

 足元はS耐参戦車両と同様のレイズ製「TE37」を採用。剛性を高めて、形状を最適化し、センターキャップにはMSRのエンブレムを、外周にはブランドネームをあしらい、特別感をあたえました。

 加えて12Rでは、ボンネットにレーシーな専用デカールの貼付やエンジンヘッドカバーの手塗りによる結晶塗装、シリアルプレートの装着を行い、最高峰のスペシャルモデルとして、プレミアム性を引き立てています。

 インテリアはブラックを基調にシートベルト、ステアリングトップマーク、ステッチ、シートパイピングには赤いアクセントを施し、運転の楽しさと刺激を高めています。

 ハンドルやシフトノブ、ドアトリムなどにはアルカンターラ素材を用い、上質さも付与。シートはMSRロードスターがセミバケットシートで、12Rがフルバケットシートとなります。

 なお、サーキット走行をするユーザー向けには、販売店でアフターパーツを販売しており、FUJITSUBO製チタンマフラーやヨコハマ「アドバン ネオバ AD09」、ブレンボ製ブレーキセット、OS技研製LSD&専用オイル、レカロ製フルバケットシート(12Rに標準装備)、Sabelt製MSRロゴ入りハーネスなどを販売。単品でも注文できます。

 MSRロードスターの価格(消費税込、以下同)は526万5700円で、2200台限定。12Rは761万2000円で、200台限定となります。

 なお、MSRロードスターは先着順の販売で、販売台数の上限に達し次第販売終了となります。12Rは公式アプリ「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING」から商談予約抽選に応募し、抽選200名に商談予約権が与えられます。

 抽選受付は2025年10月5日(日)14時00分から10月20日(月)23時59分までとなっています。

【画像】超カッコいい! これが716万円の「ロードスター」です! 画像で見る(80枚)

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