ステランティス(Stellantis)UKは2025年5月6日、ジープ(Jeep)ブランドのCセグメントSUV「コンパス(Compass)」の最新モデルを本国で発表した。

デザインは伝統を継承しながらオフロード性能を進化
コンパスは世界中で250万台以上の販売実績を誇るジープブランドのCセグメントSUVだ。新型コンパスは、従来型と同じイタリア南部のメルフィ工場で生産されることが決まっている。高い自動化技術と持続可能性を兼ね備えたこの工場は、ステランティスの電動化戦略における中核拠点でもある。
新型コンパスは、最新のSTLA ミディアムプラットフォームを採用し、長距離のEV航続、高速充電、そして高いコストパフォーマンスを高次元でバランス。さらにタフなオフロード性能と日常における快適性を兼ね備えた、真の「万能型SUV」となる。

特徴的な7スロットグリル、台形のホイールアーチ、頑丈なクラッディング(ホイールアーチモールを黒色の樹脂で覆う)などの特徴を備え、ジープブランドの伝統を守ったデザインを採用。
外観はジープ伝統の7スロットグリルや台形ホイールアーチなどを踏襲しつつ、スクラッチ防止シールドや強化バンパーで耐久性を向上させている。
ボディカラーは明るいグリーンの「ハワイ」をはじめ、ブルーの「パシフィック(太平洋)」、茶色が買った緑色の「アマゾニア」、グレーの「ヨセミテ」、ホワイトの「南極大陸」、ブラックの「火山」など、自然をテーマにした6色を展開する。
新型コンパスはオフロード性能を進化させており、最低地上高は200mm、アプローチアングル20度、ブレークオーバーアングル15度、デパーチャーアングル26度としている。全車に標準装備される「セレクテレイン」システムは様々な路面状況にも対応可能としただけでなく、渡河能力は470mmを実現。また、オフロード走行も可能な前輪駆動モデルを設定している。
室内空間を拡大したほか、進化したデジタル技術を採用
新型コンパスは、全長わずか4.55mながら、後部座席のレッグルームを55mm拡大。550Lのラゲッジスペースや34Lのフロント収納など、室内の利便性も向上している。
インフォテインメント面では、10インチのデジタルメーターと16インチの大型タッチスクリーンを搭載。OTA(無線)アップデートに対応し、常に最新の機能を維持できる。
さらに、レベル2自動運転技術、ヘッドアップディスプレイ、マトリクスLEDヘッドライトなど、プレミアムモデル並みの装備と全車標準装備としている。

オーバル形状のステアリングホイールを採用。インテリアはクリーンかつ先進的なものだ。

悪路走行にも対応できるように、サイドの張り出しを大きくしたシートを装備。

シフトセレクトはダイヤルタイプとしている。左の赤い部分は新技術「セレクテレイン」の操作スイッチ。
パワートレーンは、145psの48V eハイブリッド、195馬力のプラグインハイブリッドに加え、213psの前輪駆動モデルから375psの4WDモデルまで選べる3つのEVモデルをラインアップする。
375psモデルでは専用のリアモーターを搭載し、14:1のリダクションギアと組み合わせることで最大3100Nmの後輪トルクを発生。前輪が空転しても、20%勾配を走破できる高い走行性能を誇る。
急速充電(160kW DC)では、20%から80%の充電時間をわずか30分としている。航続距離は最大650km(WLTP)を実現し、ロングドライブにも対応している。
新型ジープは、145馬力のeハイブリッドと213馬力のEVから選ぶことができる「ファーストエディション」を今夏に本国で発売予定だ。
ファーストエディションは、LEDマトリックスヘッドランプや20インチホイール、シートヒーター、360度下部保護素材など、特別装備が満載なだけでなく、運転支援面ではレベル2自動運転支援やパーキングアシストなども搭載される。
新型コンパス ファーストエディションは2025年夏から本国で注文を受け付け、2025年のQ4(10月~12月)にデリバリーを開始する予定だ。