
引用:グローバル・オート・ニュース
ジーカー、初のPHEVモデル「9X」を発表ロールス・ロイス風デザインと885馬力の高性能SUVで高級市場に挑戦ジーリー(Geely)グループ傘下のプレミアムEVブランド、ジーカー(Zeekr)は、大型プラグインハイブリッドSUV「9X」を公開し、高級SUV市場への本格参入を表明した。
これまでBEV(純電気自動車)専業であったジーカーが、初めてPHEVモデルを投入する背景には、メルセデス・ベンツGLSやBMW X7など既存高級ブランドとの直接競合を見据えた戦略転換がある。
ロールス・ロイス風フロントマスクで独自性を演出9Xのデザインは、大型SUVらしい重厚な存在感が際立つ。特に大きな矩形グリルと直線を基調としたフロントフェイスは、ロールス・ロイス・カリナンを彷彿とさせる印象を与える。一方、サイドビューでは競合車と一線を画す独自のシルエットを採用し、上部を囲む控えめな金属トリムが上質さを強調する。3列シート構成により、ファミリーユースとしての実用性も兼ね備えている。

引用:グローバル・オート・ニュース
システム出力885馬力、0-100km/h加速は約3秒パワートレインは、最高出力275馬力の2.0リッターターボエンジンに2基の電動モーターを組み合わせた構成。システム全体で885馬力を発生し、0-100km/h加速はおよそ3秒、最高速度は240km/hに達する。エンジンは3速ATと組み合わされ、駆動と発電の両機能を担う。電池容量は非公表だが、CLTC基準でのEV航続距離は最大約380kmとされている。
900V急速充電とレベル3自動運転を搭載9Xは900Vの高電圧アーキテクチャを採用し、20%から80%の充電を約9分で完了できる超急速充電に対応。補機電源には48Vシステムを採用している。足回りにはデュアルチャンバー式エアサスペンションとアクティブロールコントロールを搭載し、快適性と走行安定性を両立。さらに、LiDARとカメラを活用したレベル3相当の自動運転機能も備えている。

引用:グローバル・オート・ニュース
PHEV採用の背景は「大型SUV市場の実用性重視」ジーカーがPHEV方式を選択した理由として、同社は「大型SUVのユーザーは長距離性能を重視する一方、BEVでは大容量バッテリーがコスト増につながる」と説明している。急速充電インフラが拡充中の中国国内においても、PHEVは高級SUV分野で依然として現実的な選択肢とされている。
また、今回採用されたのは発電専用のエンジンを持つEREV方式ではなく、エンジンとモーターの両方で駆動する一般的なPHEV方式。これは中国市場でより一般化しているハイブリッド構造を反映した設計といえる。
中国プレミアムEV勢の戦略転換を象徴ジーカー「9X」の登場は、これまでEV専業として差別化を図ってきた中国のプレミアムブランドが、現実的な選択肢としてPHEVに舵を切り始めたことを象徴している。充電設備がまだ十分とは言えない欧州や東南アジア、さらには米国市場も見据えた製品展開と捉えられる。
高級サスペンションやレベル3自動運転、900V充電といった先進装備を網羅する「9X」は、単なるPHEVの枠を超えたハイエンドテクノロジーのショーケースとも言える。これまで「7X」や「009」といった高級EVでブランドを築いてきたジーカーにとって、9Xはプレミアム市場での地位をさらに押し上げる戦略的な一手となる。
このモデルが市場でどれだけの実績を上げられるかは未知数だが、中国ブランドがグローバル高級SUV市場で本格的な存在感を発揮するターニングポイントになることは間違いない。
「spotvnews」で最も閲覧された記事
- "サファイア"の輝きとともに…ベントレー、上海で「アズール」シリーズを発表、680馬力ハイブリッドと特別開発の「ニーラ・ブルー」が魅せる最上級の優雅さ
- さらば伝説のW12 ベントレーが放つ最後の雄叫び、バトゥール・コンバーチブルは750馬力×世界16台の究極コレクター品