それぞれの特徴とは
251ccから400ccのバイクは、日本の法制度上車検を受ける必要があります。
一方で、250ccクラスにはない余裕のある加速や巡航性能を備えており、高速道路を使った移動もこなせる点が特徴です。
【画像】走りも余裕がある中型スポーツバイク! 人気の3車種を写真で見る(26枚)
特に、フルカウルスポーツタイプは空力性能を意識した外観を持ち、大型車に近い特性を体感できるモデルが数多くラインナップしています。
また、各メーカーのデザインに対するこだわりも強く、多くのライダーから注目が集まっているクラスでもあるとされています。
では、300~400ccクラスのフルカウルスポーツとして、どのような車種が挙げられるのでしょうか。
ヤマハ「YZF-R3」
まずひとつ目の車種は、ヤマハ「YZF-R3」です。
ヤマハ「YZF-R3」
このモデルは、扱いやすさを重視したコンパクトな車体に320ccの水冷直列2気筒エンジンを搭載しています。
さらに、シリーズとしては「YZF-R1」を頂点とするヤマハのスーパースポーツ系譜に連なる1台で、弟分の「YZF-R25」と車体を共用しながらも、余裕のある加速力を持つ点が特徴です。
「毎日乗れるスーパースポーツ」というコンセプトを掲げ、通勤からツーリングまで幅広い用途に対応できるバランス型のスポーツモデルとされています。
また、2025年モデルでは外装が刷新され、よりRシリーズらしいアグレッシブなデザインとなりました。
装備面ではアシストアンドスリッパークラッチに加え、USB Type-A端子対応ソケットも備わるなど、利便性が向上しています。
なお、新車は継続販売中で、価格は72万6000円に設定されています。
400cc以下の「KTM」と「カワサキ」の2台
KTM「RC390」
ふたつ目の車種は、KTM「RC 390」です。
KTM「RC390」
こちらは2014年に登場したモデルで、オーストリアのKTMが展開するスーパースポーツのエントリーを担います。
上位スーパースポーツ「RC8」と同じRCシリーズに属し、レーシングマシンのデザイン要素を取り入れたスタイルが特徴です。
なお、単気筒エンジンを搭載したフルカウルスポーツはこのクラスでは珍しく、軽快さとレスポンスの良さを重視した設計です。
さらに、2022年モデルからは電子スロットル制御やトラクションコントロールを採用し、さらにオプションでクイックシフターも設定できるなど、中型クラスながら電子制御を積極的に導入した構成となっています。
また、ハンドル位置の調整機構や燃料タンク容量の拡大も加わり、より扱いやすく進化しました。
新車は現行モデルが販売中で、価格は64万円となっています。
カワサキ「ニンジャ400」
カワサキ「ニンジャ400」は、2011年まで展開されていた「ニンジャ400R」の後継として2014年に登場しました。
カワサキ「ニンジャ400」
その後、2018年のフルモデルチェンジにより大きく仕様を改め、「ニンジャ250」と共通の車体を採用しています。
「ニンジャ」シリーズは1980年代のGPZシリーズから続くカワサキのスポーツ系譜の中核にあり、エントリーから大型まで広い層をカバーしています。
その中で、ニンジャ400は国内中型免許で扱える上限クラスの1台として位置付けられています。
400ccクラスながら車体重量を167kgに抑えており、中型車の中でも軽量さを打ち出した構成です。
これにより、同クラスとしては取り回しの軽快さが際立つものとなっています。
また、ニンジャ250と違い前後ラジアルタイヤを装着しているため、よりスポーティーな走りが期待できます。
デザイン面ではSBK用のスポーツバイク「ZX10RR」のカラーを踏襲した「KRT」カラーが人気で、2025年のカラーチェンジまで発売されていました。
なお、このモデルも新車購入が可能で、価格は79万2000円に設定されています。
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これら3車種はいずれも大型スポーツバイクに近い性格を持ちながら、250ccでは得られない余裕のある走りを可能にしています。
ライダーが重視する要素によって、日常性や電子制御の有無、あるいは軽量な車体など、選択肢は明確に分かれるでしょう。
また、300〜400ccフルカウルスポーツは、日常の移動と高速走行の両面に対応できるクラスです。
今後もアップデートを重ね、中型バイク市場を引っ張っていく存在として、ライダーの注目が集まりそうです。