ゼファー400・750と続きシリーズで最後にデビューした「ゼファー1100」。この記事では、同車の特徴と歴代モデルについて紹介する。
まとめ:オートバイ編集部

カワサキ「ゼファー1100」の特徴

Kawasaki ZEPHYR1100 1992年総排気量:1062cc エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 シート高:795mm 乾燥重量:243kg発売当時価格:84万9000円
威風堂々のスタイルと重厚な乗り味で人気に
国内販売されるオートバイの排気量上限が1990年に撤廃されたのを受け、各社から大型バイクが続々と登場、ビッグバイクブームが幕を開けた。カワサキもその波に乗るべく、ゼファーのフラッグシップモデル・ゼファー1100を投入する。
1062ccの空冷DOHC2バルブ4気筒エンジンは400や750のように直系のルーツを持たず、グランドツアラーであるZG1200ボイジャーのエンジンを水冷から空冷に再設計した異色のユニット。
ボイジャーから一体型クランクとケースを引き継ぎ、シリンダーとヘッドは完全新設計。半球型燃焼室にこだわりあえて2バルブを採用し、燃焼効率を追求して1気筒あたり2プラグとするなど、手の込んだ構成としている。
これをメインチューブにΦ38.1mm径のパイプを使用した、堅牢なダブルクレードルフレームに組み合わせ、トルクフルなパワー特性のエンジンとともに重厚な乗り味を実現。Zの末裔らしい、堂々たるフォルムのスタイリングも人気を博し、2007年まで販売されるロングセラーとなった。
カワサキ「ゼファー1100」の注目ポイント

メーターは定番の砲弾型アナログ2眼。センターに燃料計を設置、センター部分にはアルミプレートを配置するなど、上質さにも気が配られている。

ビッグバイクらしい豊かなトルクを実現した1062ccエンジンは、大径バルブを採用し、燃焼効率向上のため、1気筒あたり2プラグとしたユニークなもの。

初期型のホイールは切削加工が施された美しい5本スポークのキャスト。ブレーキはΦ310mmのダブルディスクが奢られている。

リアサスペンションはリザーバータンク付きのツインショック。ショックユニットはプリロード調整が可能となっている。
カワサキ「ゼファー1100」の系譜
ゼファー1100(A1)/1992年

発売当時価格:84万9000円
400、750ときて、「次は900か?」と期待が高まる中で登場した1100モデル。シリンダーから上は新技術を盛り込み新たに設計され、リッターバイクらしい余裕のある走行性能を備えた。
ゼファー1100RS(B1)/1996年

発売当時価格:87万円
750と同様に前後にスポークホイールを追加したRSもラインアップ。そのほか基本構成に変更はないが、RSはタンクロゴが「Kawasaki」に、サイドカバーにはZEPHYRのエンブレムを装着している。
ゼファー1100(A7)/2001年

発売当時価格:88万円
400、750と同じく排出ガス規制に対応し、シリンダーヘッドのKCAとサイレンサー前端部のパイプ触媒により構成される排ガス浄化システム「KLEEN」を搭載。キャブにはK-TRICを装着して、出力・トルクが変更された。
ゼファー1100(A7)/2002年

発売当時価格:88万円
KLEENを搭載したA7をベースに、火の玉カラーを追加。限定車ではない市販車扱いで、主要な諸元、価格ともにA7から変更はない。
ゼファー1100(A8)/2003年

発売当時価格:85万9000円
平成13年の騒音規制に伴い、最高出力が86PS、最大トルクは8.5kgf・mにパワーダウン。車体色は新色のパールミスティックブラックと、継続のメタリックチェスナットブラウンを用意。
ゼファー1100(A6SA)/2007年

発売当時価格:92万3000円
生産終了記念のファイナルエディションとなった2007年モデル。美しい塗装仕上げの火の玉カラーを施したタンクや専用のシート、「DOUBLE OVER HEAD CAMSHAFT」の文字が追加されたエンブレムが与えられている。
まとめ:オートバイ編集部